千葉県生協連 役員福島被災地視察研修を実施
11月22日(水)、千葉県生協連の役員で福島被災地視察研修を実施しました。
当日の参加者は鳥羽会長理事、首藤専務理事、生活クラブ生協庄村常務理事、千葉県庁生協宇内専務理事、コープみらい古賀理事、千葉大学生協内赤専務理事、東邦大学生協伊藤専務理事、千葉労済生協細根理事長が参加されました。
東日本大震災から6年半が経過した今なお、未だ9万人の方々が全国各地で厳しい避難生活を余儀なくされており、特に原発事故のあった福島県では、復興が遅れています。被災の現状を風化させることなく、「忘れない」「伝える」「続ける」「つながる」ことを大切にして、これからも被災者に寄り添った支援を続けていけるよう、福島(沿岸部)の現状を学ぶ機会を設けることにしました。
視察の行程は飯舘村松川第二応急仮設住宅に訪問し住民代表の方のお話を聴き交流を行なった後、被災地を見学しました。被災地については天神岬公園、富岡町、双葉警察署から6号線の帰還困難区域を通り浪江町までの津波被害や原発事故の影響等を見学し、その後請戸地区の堤防設備や仮置き場、請戸小学校周辺を周りました。最後に飯舘村に入り『いいたて村道の駅までい館』に立ち寄り福島駅に戻りました。
※「までい」とは「ゆっくり」「ていねいに」という意味の福島県北部の方言です。
飯舘村松川第二応急仮設住宅
懇談の様子
福島市内にある飯舘村の仮設住宅では住民代表の佐藤さんから現在の状況を聴きました。飯舘村では(一部で帰還困難区域あり)、避難指示が解除になったがまだ住民の8%しか戻っていない状況であること、帰村された方は高齢者が多く、買い物などに苦労されていること、除染されているとは言うものの、子どもの将来を考えると不安を感じ、若い方たちの帰村はすすんでいないなど困難な状況が続いているとのお話がありました。
また、現在の仮設住宅に住み始めた当初は騒音の問題や狭い等の環境の問題で早く自宅に帰りたいと思っていたようですが、現在は仮設住宅の中でコミュニティが出来上がっているので離れたくないと思っている人もいます。ストレスや病気で亡くなる方も多く、ふるさとは捨てられないが戻ることにも不安を感じながらの仮設住宅での暮らしになっているそうです。東日本大震災を経験して原子力発電の恐ろしさに改めて気づき、農業を守ることが食を守ることにつながり、その結果、命を守ることにつながる。経済優先の社会から命を大切にする社会にしていきたいと思いを語ってくれました。
その後、福島県の被災地を見学し、バスの中で福島県生活協同組合連合会の佐藤専務理事より現在の福島県の状況を聴き、現状を実際に見ることができました。
民家の庭や店舗の駐車場に除染廃棄物(フレコンバッグ)が置かれていました。フレコンバッグの耐久年数は3年から5年と言われていますので震災から6年が経過し老朽化が始まっています。
高速道路にも線量計が設置されパーキングエリアで放射線量が掲示されていました。しかし、人目につかないトイレの入口に設置されていました。
天神岬公園から見える除染廃棄物の集積場です。
帰還困難区域となっている双葉町の様子。
道路が封鎖され警備員が立っていました。
帰還困難区域となっている大熊町の様子。
道路には放射線量が表示されています。
浪江町にある減容化施設です。
ここで除染廃棄物の処理をしています。