「第42回千葉県消費者大会」開催
テーマ ~食生活を見直して元気力を高めよう~
消費者団体千葉県連絡会は、2月7日(水)、千葉県教育会館会議室において、第42回千葉県消費者大会を開催し、101名の参加がありました。
はじめに、消費者団体千葉県連絡会代表幹事の一人である、千葉県生協連専務理事の首藤英里子さんより、挨拶と今回の消費者大会の開催趣旨について話がありました。
今回の消費者大会は、「多くの消費者は食に深く関心を持ち、健康寿命を考えながら、食品の摂取の仕方にも気を使っています。食に関する様々な情報や話題が社会生活の中には、幅広く溢れています。多くの情報がある中、長く健康的な食生活をおくるためにはどうしたらよいか」を二人の講師のお話から学びます。お一人目は「健康的な食生活をおくるための私たちの選択」と題し、千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科教授の渡邊智子さん、お二人目は「食の安全を考える」と題し、消費生活コンサルタントの森田満樹さんです。
渡邊智子氏の講演要旨
日本の食事は、地域によって味付けのベース(醤油)の違いがあり、美味しいと感じる違いは、食文化の違いが背景にあります。「残したい郷土料理」の本を出していますが、料理も少しずつ変わっています。行事食も毎日ではいやになりますし、野菜が不足します。また、同じ料理でも器が変われば、変化が生まれます。
主食・主菜・副菜が揃っている日本食は必要な栄養素を揃えることができます。「主食(炭水化物)」は力やエネルギーになり、「主菜(タンパク質)」は血や肉になり、「副菜(ビタミン、ミネラルなど)」は体の調子を整えます。ご飯100gとパン(クロワッサン)100gを比べると、ご飯は60%が水分、37%が炭水化物ですから、魚や野菜を取り、バランスを考えた食べ方ができます。パンでは、炭水化物44%、脂質27%、水分20%とバランスは良いのですが、カロリーがご飯の約3倍あります。でも、朝、忙しく時間がなくて何も食べずに出るよりは、パンを食べていくことを選びたいです。ご飯とパンのどちらがよいかではなく、食べる人の状態も食を選ぶ条件になります。
千葉県では、バランスの良い食事を、必要なエネルギー量の半分は主食からとり、1食分のおかずを主菜は「グー」、副菜を「パー」の大きさを目安にとる「ちば型食生活」の食事実践スタイルを「グー・パー食生活」と命名しました。
日本人が常用する成分表の食品は全国的な平均値となっています。同じ菓子でも、地域によって名称が違っていたり、同じ魚でも種類によって栄養素が変わります。
食は、化学的であり、文化的でもあります。健康的な食生活をおくるために、食品、料理、組み合わせを選択し、元気な生活のために、美味しく、楽しく食べることは大切です。
森田満樹氏の講演要旨
食品の安全性について、消費者が不安に思うことをアンケートで聞いてみると、食品添加物、残留農薬、食中毒が上位を占める傾向にあります。
ハザードとは、悪影響をもたらす可能性のある食品中の物質または食品の状態であり、有害微生物、自然毒、カビ毒、農薬、商品添加物、化学物質などです。リスクはハザードが存在する結果生じる健康への悪影響の確率で、何をどれだけ食べるかです。
国内で流通している食品は、輸入食品も国産品でも安全性は、食品衛生法によってまったく同じ基準が適用されます。輸入食品の安全確保の対策は、輸入時の水際対策を行う検疫所がカギとなり、違反品は相手国に返されます。国によって基準が違うこともあり、日本が一番厳しいわけではありません。国内の対策としては、都道府県の食品監視・指導が行われています。
ある食品を安全にするか、安全でないものにするかは消費者の選択や取り扱い方、食べ方によります。食情報と上手につきあうために、過剰な情報や「○○がいい」という、そればかりに偏ることがないように、バランスよく食べることがリスクを減らすことにもなります。おかしな情報があったら自ら調べ学ぶ行動する消費者になりましょう。
参加者からは、「小・中学生にもどった気分でした。習っていたのに、立ち戻ることができました。バランスや盛り付けを意識しながら献立作りしたいと思いました。」、「『美味しく、楽しく』食べることができるように肩の力は抜きつつも、私なりに頑張ってみよう!と思うきっかけになりました。」、「輸入食品の安全確保対策について、自分の考え方が間違っていました。勉強になりました。」、「何でもかたよらず、まんべんなく・・が良いことがよくわかった。」などの感想が数多く寄せられました。