県生協連からのお知らせ

~平和のための学習交流会~
「子どもたちに平和な未来を2017」を開催しました

 2017年8月21日、コープみらい千葉県本部コーププラザ千葉で、「子どもたちに平和な未来を2017」を開催しました。この企画は、平和の大切さと核兵器の廃絶について考え、各生協の活動を交流することを目的に毎年開催しています。

 今回は、「次世代への継承」をテーマに、子どもが主役になれる場をつくり、全体の企画やグループ交流をとおして、平和の大切さを参加者自身が感じて、次につながることや行動してみたいことが発見できることを目的としました。

 全体企画は、「ちば・戦争体験を伝える会」による紙芝居と、千葉県原爆被爆者友愛会の腹話術でお話しする被爆体験を聞きました。グループ交流は、子どもと大人のグループに分かれて、話し合いました。フリースペースは、「人間と原爆」のパネル展示、日本赤十字社千葉県支部から紛争地域での医療活動などを紹介したパネル展示と資料提供、「ちば・戦争体験を伝える会」から千葉の空襲に関する資料展示、パルシステム千葉から平和をテーマにした絵本の提供がありました。参加者は関心を寄せて、パネルや資料を熱心に見てまわりました。

「ちば・戦争体験を伝える会」による紙芝居による体験談

 千葉市の空襲を体験した方の体験談を紙芝居をとおしてお話いただきました。1945年の6月と7月に千葉市に空襲があり、千葉市街地が焼野原となりました。

 「ちゃあちゃん ぽんぽん いたいよ」は、渡辺紘子さんが体験したことを、河合節子さんが絵と文章にまとめたお話です。渡辺さんは、勝浦市の出身で、当時は東京に住んでいました。1944年に紘子さんは学童疎開で千葉に来ましたが、小学校卒業後東京の自宅に戻り、3月10日の東京大空襲にあい、火の中を逃げ、千葉の親類の家に身を寄せました。7月7日の千葉空襲で、海岸に逃げた時に空からの機銃掃射で弟と妹が亡くなり、妹は「ちゃあちゃんぽんぽんいたいよ」と言って息をひきとりました。世界中の誰にも、悲しく、辛い、想いはさせたくない、とまとめの言葉がありました。

 「少国民が見た戦争『非国民!』」は、1945年4月、日吉村(現・長柄町)の国民学校に通う小学生の高学年の子どもたちが「国民少年団」として組織された時の体験を伝える話です。飛行機の燃料にするために松ヤニ取り、レーダーに使うためにぶどうの新芽取り、食料にするためにどんぐり拾いなど、勉強より、役に立たないような農作業ばかりやらされました。5月24日、B29がエンジントラブルで墜落し、落下傘で降りてきた3人の乗組員が捕まりました。3人が校庭の鉄棒に縛られていた時、1人の日本人男性が棒切れで1人の兵士を叩きました。それを見ていた女性が「まあ、かわいそうに」と、つぶやくと、まわりから「非国民」と罵声が浴びせられました。私たちは、戦争の悲劇を語り継ぐだけでなく、差別や偏見などの芽を摘み取ることも大事だと感じました、とまとめがありました。

千葉県原爆被爆者友愛会、小谷さんと人形のあっちゃんと腹話術による被爆体験談

 小谷さんは6歳の時に、爆心地から2.5キロの広島の自宅で被爆しました。小谷さんは、近くにいた母親に助けられましたが、ひどい火傷を負った弟の健二さんは4日後になくなり、母親の吉恵さんは51年に白血病を発症し亡くなりました。生前、吉恵さんは戦災孤児の世話に尽力され、その姿がきっかけとなり、小谷さんは幼稚園教諭となりました。園児の心を開いてもらうために腹話術を始めましたが、腹話術で被爆体験を語るようになったのは、その恩師と家族の思いが背中を押してくれたからでした。小谷さんは、「あっちゃんが、私が体験したことの聞き役になっています。あっちゃんとともに外国にも出かけ、被爆体験を話します。その折に、原爆を落としたアメリカを恨んでいますか、と質問されることがありますが、恨みを伝えにいくのではなく、平和の尊さを伝えていきたいと思っています、と話しています。」と、穏やかにあっちゃんとともにお話されました。

子どもたちどうしのグループ交流

 千葉大学生協の大学生がグループリーダーとなり、紙芝居と腹話術の話をきいた感想やわからなかった言葉などを出し合いました。交流の発表では、「戦争を早いときにやめておけばよかった。」「今食べられることが幸せ、好き嫌いせず食べたい。」「戦争はこわい、自分なら逃げたい。」「原子力もこわい、危ないことに使わないでほしい」「家族と一緒にご飯が食べられることや明日のことが話せることに幸せを感じる」などの意見が出ました。

 また、「実際に体験談を直接聞くことが大切だと思いました。」「戦争をしたいなんてだめだと思った。」「千葉で空襲が起きていたことを初めて知った。」「お話は悲しい内容だったけれど、あっちゃんが出てきておもしろかった。」「くわしく教えてもらってわかりやすかった。」「紙芝居が本当の話だと思うと悲しかった。」など、子どもたち自身が感じたままを表現した感想も寄せられました。

 参加者は小学1年生から高校3年生が14名、大人が38名で全体で52名でした。また、折り鶴が74羽、「被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」は12筆集まりました。


紙芝居「ちゃあちゃん ぽんぽん いたいよ」


紙芝居「少国民が見た戦争『非国民!』」

腹話術 あっちゃんと「被爆体験」を語る

グループ交流の様子


会場の様子

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