第23回千葉県協同組合女性交流会 報告
- 日時
- 2016年12月12日(月曜日)10:00~14:00
- 会場
- 千葉市生涯学習センター大研修室
- 出席
- 72名(JA千葉女性部協議会・JA千葉中央会15名、JF千葉女性部連絡協議会・千葉県信漁連10名、コープみらい25名、パルシステム千葉8名、生活クラブ虹の街8名、日本生協連2名、県連4名)
内容
講演I 「東日本大震災後の福島の農業・漁業の復興の取り組みと課題」
講師 福島大学経済経営学類教授、福島大学うつくしまふくしま未来支援
センター副センター長 小山良太 氏
小山先生の講演要旨
「震災から5年以上が経っても、福島原発事故後の被害報告、農産物・海産物の検査結果の発表を国がきちんとしていない中、福島県、農協、生協は農産物等の検査を続けています。協同組合の組織は地域密着型で、逃げることができないのです。また、被害のない会津でも福島県内という理由で検査を続けています。
福島県産農産物の流通構造が変わってしまいました。野菜・果樹は震災前の価格に戻りつつありますが、畜産・米は市場構造自体が変化し価格が戻っていません。海産物も試験操業と検査を続け、放射性物質の検出はゼロですが、いまだに出荷されていません。汚染の実態に合わせて検査することが重要で、リスクに合わせて評価できるのです。
原子力災害の損害構造は、①フローの損害、②ストックの損害、③社会関係資本の損害があります。物的損害は賠償することができますが、損失については賠償することができません。今回の原子力事故について、①日本政府は事故の総括をしていません。②原子力災害基本法をつくるべきです。」
参加者からは、「福島の第一次産業を今後どう復興させるのか、課題がとても大きいことがわかりました。消費者に正確な情報を発信していくことは大変ですが、続けていただきたいです。」、「震災後の福島の風評は未だ根強くありますが、講演を聞き、少しでも一人でも安全であることを広めたいと思いました。」などの感想がありました。
講演II 「首都直下地震をイメージする。災害時の備え・役立つ食品や備品など、備蓄について学ぶ」
講師 災害対策アドバイザー 水島重光 氏
首都直下地震をイメージする動画を視聴後、10項目の減災チェックを参加者とともにおこないました。「家具などの転倒防止対策をおこなっているか。家財が倒れるところに寝ないように、向きを変えればよい」、「行政の災害通報メールに加入する」、「家族で集合場所を決めているか」、「災害時に備えて7日分の備蓄をする。」、「行政発行の防災マップはあるか」など、チェック項目にそったアドバイスがありました。
参加者からは、「災害への備えの話では、過去の震災から学んだことが、活かされていることがわかりました。」、「家庭での震災の取り組みを見直そうと思いました。」などの感想がありました。
試食・交流
昼食時に、各団体で扱っている、災害時だけでなく普段のくらしにも役立つ商品の紹介と試食をしました。福島の復興商品として、ふくしま未来農協からジュースとドライフルーツの紹介がありました。
交流では、東日本大震災以降の取り組みの報告とグループごとに講演をきいて、印象に残ったことや取り組んでみたことなどを出し合いました。他団体の取り組みを初めて知ることができたり、日頃の活動の情報交換など、親睦を深め有意義で充実した交流の場となりました。
講師:小山良太 氏 | 講師:水島重光 氏 |
取り組み報告
グループ交流
各協同組合から非常時に役立つ商品を紹介