県生協連からのお知らせ

『「子ども・子育て支援新制度」と生協の組合員活動の可能性について』を開催しました。

日   時
2015年7月8日(水曜日)10:00~12:30
会   場
京葉銀行文化プラザ 6階欅Ⅱ
参加者
5生協事務局ほか69名が参加
内   容
 

(1)開会あいさつ

学習会の冒頭に、千葉県生協連鳥羽会長理事より「子育て支援の取り組みは、組合員にとっても、地域社会からも期待の高い取り組みです。生協として、新たな取り組みの可能性にチャレンジし、地域・行政などとの協力関係を一層すすめるなど、この学習会が今後の活動の参考になれば幸いです。」とあいさつがありました。

(2)講演

はじめに、公益財団法人生協総合研究所研究員の近本聡子さんより、「子育てしやすい地域とは?~新しい子育て観をもって地域を支援するために~」と題し、ご講演いただきました。講演の要旨は以下のとおりです。

①子育ての背景にある家族モデル

組合員の意識調査では、年齢による意識の差が大きく出ています。若い世代のライフスタイルや考え方を知ることは重要です。人口減少は既に始まり、少子高齢社会はますます進行していきます。また、結婚しない・できない人が増え、家族のあり方が変わってきています。

戦後の『男性稼ぎ手モデル』では、仕事は男、家庭は女という、高度経済成長を支えた標準家族でした。生産年齢人口が減少し始めると『共働きモデル』が増え、家族の生活スタイルが変化してきました。将来的には、シングルでも子どもを産み育てることができる社会を予感しています。

②子ども・子育て支援新制度の背景と展望

子育て観の変化として、ベビーバギー問題は大きいです。50代世代はバギーを折りたたみ電車に乗った時代でしたが、30代世代ではたたみません。これは世代間ギャップではなく、価値観の違いなのです。ベビーバギーは車いすと同じです。このように子育て観が変化し、子育て層のニーズは変化しています。そうしたニーズに対応した行政の施策が今回の新制度です。

③これからの家族形成期の人々

価値観が変化するには100年かかると言われるように、価値観は社会の中では遅くついてくるようですが、すでに、朝食にパン食は半数を超えています。従来の生活スタイルは大きく変化しています。家計も夫婦の労働収入を合わせて考えなければいけなくなっています。

④千葉県で生協ができること

新制度では、市町村は保育所のニーズがあれば、作らなければなりません。地域で、どんな子育て支援がおこなわれているのか、どんな地域資源があるのか、県が持っている情報を調査することが必要です。市町村レベルの協議体に生協が参加することを検討しましょう。地域で何が足りないのか、地域の“あったらいいな”をキャッチできるようにアンテナを張りましょう。そして、専門家に繋いだり、ネットワークづくりも大事なことです。“一緒に○○やりましょう”と、子育てのニーズに合わせていきましょう。ひろば活動では、評判の悪い所は利用されなくなります。スタッフの質も求められます。ひろばだけではできないことを生協が事業化することを視野に入れ、地域の子育て支援をよりよいものにしていきましょう。

(3)質疑応答と懇談交流

つぎに、近本研究員を囲んで、講演内容の質問や各生協の子育て支援の様子を出し合うなどの懇談をおこないました。

質問では、「生協の事業化を継続するためのひとつに世代交代があるが、どう工夫していけばよいか?」、「子育て支援の場では子どもの数が減少し、事業の不安も感じているが、どんな対策が考えられるか?」、「行政との対等な連携をつくるにはどうしたらよいか?」、「支援とサービスの違いをどう考えたらよいのか?」などが出され、近本研究員から一つ一つ丁寧な回答をいただきました。

懇談では、日本生協連中央地連の遠藤さんより、全国の子育て支援活動事例紹介と子どもの貧困問題についての報告がありました。また、パルシステム千葉、コープみらい、生活クラブ、なのはな生協から子育て支援の報告があり、それらをもとに活動の交流をおこないました。

参加者からは、「子育て支援は当事者性をもって!・・当然のようですが、改めて考えました。」、「自分の地域の子育て支援について調べてみたいと思います。」、「社会環境の変化にいかにアンテナを広げ、キャッチし、自分の活動にいかして情報交換していかなければと実感します。」など、今後の取り組みへの意欲的な感想が数多く寄せられました。


講師:近本聡子研究員


学習会の様子

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